現役大学生作家、朝井リョウさんの『少女は卒業しない』を今回おすすめしたいと思います。
『桐島、部活やめるってよ』(第22回小説すばる新人賞)がこの夏映画になって話題沸騰中の朝井リョウさんの最新刊です。
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高校最後の卒業式、7つのさよならの物語。
校舎取り壊しが決まっている高校、最後の卒業式の一日。
少女7人が迎えるそれぞれの別れを、瑞々しく描く連作短編集。恋愛あり、友情あり、成長あり、
ミステリ的仕掛けあり。青春の全てがここに!
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青春の一瞬のきらめきと、時を止めてしまいたいと思うほどに甘美なひと時、卒業という節目を前にして成される様々な決断。
読みながら、こんな純粋さが自分にもあったのだろうかと、過去に思いを馳せて、切ない気持ちになりました。
特に第6章の「ふたりの背景」は、あまりにも切なくてピュアな思いの交し合いに、電車のなかで涙があふれて大変でしたので、これはお家でじっくり読まれるのをおすすめします。
第3章の「在校生代表」も、こんなにも楽しくてかわいらしくていじらしい在校生の送辞があったら、ちっとも眠たくなんてならないのに、と思ったりして。
どの短編もそれぞれがキラキラしていて、無駄のない短編集なのです。
この春社会人になられるという朝井さんが、学生時代最後の穢れない純粋な思いをぶつけたのがこの作品だとしたら、社会人になって資本主義の世界の中で何を思い、どう作品が変化していくのか。
楽しみでなりません。
ますます目が離せなくなる作家、朝井リョウの間違いなくターニングポイントになる作品。
是非読んでみてください。
【作品特設サイト】
http://www.shueisha.co.jp/sotsugyo/